ここ数年で競艇(ボートレース)のCMを目にする機会が増えたと思いませんか?
ストーリーが盛り込まれ、複数のタレントさんを起用したCMに惹かれ「ちょっと面白そうかも」と、興味を持った方も少なく無いはず。
しかし、試しに競艇と検索したものの「ルールがなんだか複雑そう」と感じてしまい、そこから進むことができないと言う方も多いのではないでしょうか。
実は、競艇のルールはイメージしている程むずかしくありません。
この記事では、競艇に興味があるけどルールがよく分からないと言った方へ向け、これだけ押さえておけば大丈夫という簡単なルールをご説明します。
基本的なルールと合わせて、予想の際に知っておきたい当て方のポイントも解説。今ではスマホ1台あれば気軽にはじめられる時代なので、ぜひ競艇のルールを理解して舟券デビューをしてみましょう。
競艇をはじめる際にこれだけは覚えておきたい3つのルール
これから競艇をはじめてみようと思う人がまず疑問に思うのが、「そもそもどんなルールなの?」という点ですね。ここからは、これから競艇をはじめる初心者に向け、どのような競技なのか分かりやすいようにルールを3つに分けて紹介します。
競艇のルール1:全6艇で一周600mのコースを3周して着順を争う
競艇はボートレースとも言うようにボートに乗って走るレース。1回のレースに6艇(6人)が同時に出走し、1周600メートルのコースを走り着順を競う競技です。
水上で600mを3周(合計1800m)走る訳ですが、ただの直線ではなく楕円のコースを3周という所もポイント。この定期的に差し掛かるコーナーでの迫力ある攻防が、勝敗に影響してくると言っても過言ではありません。
選手たちは「モンキーターン」と呼ばれる外側を蹴るように全速力でコーナーを周回する独特な走法を行い、目まぐるしく着順が入れ替わります。私達、観戦者は選手たちの中でどの選手が1着になるか、3着までどの選手が入るか、といったことを予想して舟券の購入をします。
ちなみに、1レース6艇と言う数字は公営競技の中で最も少ない出走数となっています。つまり、予想した着順が的中する確率も比較的当てやすい傾向にあると言う訳です。
競艇場は全国に24会場あり、平日、朝夜問わずレースが行われている
競艇場は主に関東から九州までの地域に24箇所ほど展開されています。
すべての競艇場が同じコースの形になっており、おおむね例外はありません。
そして、これらの競艇場は平日も土日も夜までレースが行われ、インターネット上での観覧や舟券の購入が可能です。実際に足を運んでみると、レース以外でも様々なイベントが開催されているので、舟券を買わずとも楽しめますよ。
競艇のルール2:コースによって番号と色が決まっている
全国どこの競艇場でも、選手を識別しやすいように番号が定められそれぞれ色が決められています。番号と色の振り分けは以下の通りです。
1・2・3コースはいわゆるインコースと位置づけられ、「ダッシュ」スタート勢と呼ばれることに対して、4・5・6コースは「スロー」スタート勢と呼ばれます。
覚えておきたい知識として、最もインコースとなる1コースで走るレーサーの勝率は50%を超えていること。
つまり、2回に1回は1位を取れる計算となり、強いレーサーであれば尚更勝率が上がると言えます。対して456コースはアウトコースとなり、比較的不利になる場合が多い傾向にあります。
舟券を購入する際には、勝率が高い1号艇など、インコースからの予想が中心となるでしょう。有利である1号艇が着外になった際には払い戻し額がとても大きくなることがあります。
競艇のルール3:選手が乗るボートとモーターは抽選で選ばれる
普通のボートというと舟とエンジンが一体化したものを、まとめてボートというイメージが強いのではないでしょうか。
しかし、ボートレースで使用するものは舟(ボート)の部分とエンジン(モーター )の部分がそれぞれ別個に存在しており、組み合わせて使用されます。
そして、それぞれの選手ごとに抽選でボートとモーターが振り分けられているのです。どちらも競艇場が所有する機材で、レーサーが個人的に持ち込む機材はありません。
ボートもモーターも概ね形や性能の規格が定められていますが、それぞれのボートとモーターには個性があるのです。
ボート自体の多少の差異はレースに大きな影響はないとされています。
しかし、モーターの特性は実に多種多様で、
・スタートダッシュが得意なモーター
・カーブが得意なモーター
・直線上での加速が得意モーター
などの特性が少しずつ違いが出てきます。
そのため、レーサーは必要に応じて予め設けられたルール内で、モーターの整備を行う事が許可されています。そして、整備の際に部品を交換した場合、出走前にどの部品を交換したか公表されるため順位を予想する際の検討要素の一つともなる訳です。
以上が3つの基本ルールとなっています。
なんとなくでも、競艇についてイメージがふくらんできた所で、競艇ならではの少し特殊なルールについても押さえましょう。
競艇独自のルール!フライングスタート方式
多くの競技では、スタートラインで一斉にスタートを切るものが多く、皆さんも見慣れているのではないでしょうか。しかし、競艇の場合はフライングスタートという独特な方式を採用しています。
競艇場には大時計という専用の時計が表示されており、秒ごとに動いています。その針が12時から1時の間でスタートを切る、というのがフライングスタート方式のルールです。
フライングスタート方式のルールとして、以下の定義のいずれかに当てはまってしまうとスタート事故として判断され欠場となってしまう事があります。
・(0.01秒でも)時間よりも早く船体がスタートライン超えてしまう
→フライング(Fと示される事も)
・1秒より遅く船体がスタートラインを超えてしまう
→出遅れ、レイト(Lと示される事も)
助走スペースから決められたスタートの時間まで、各々のレーサーの感覚とタイミングで走り出す事となり、スタートの上手さも予想に欠かせないポイントです。
ちなみに、フライングや出遅れの発生したレースは全額返還(買い戻し)になります。また、レース内の6艇中5艇以上がスタート事故を起こしてしまった場合にはレースそのものが中止、不成立となる事も。
コースは番号の順番通りではないこともある
事前に出走表が提示されており、レーサーはどこのレースに何番で出走するか決まっています。しかし、ピットから出てスタート位置に着くまでの待機時間内に、実際にスタートするコースを変更する事が可能となっています。(会場によって多少の時間差はあります。)
少しわかりにくいと思いますので、順を追って具体的に説明していきます。
まず、ファンファーレとともにボートがピットから一斉に飛び出していきます。これがいわゆるピットアウトです。
その後、各々自分が入りたいスタート位置に着くまでの間で、自分が入りたいコースを狙って位置取りの駆け引きを行う事が、ルール上許可されています。インコースで有利な位置を取るか、アウトコースで十分に助走を取ってスタートを取るか、といった駆け引きがレース前から行われているのです。
ただし、スタート後にモーターを止めることは禁止されているため、常に一定のスピードで進み続けています。他の艇より早くコースに入る選択(前づけ)はスピードを出すために助走距離が短くなり、レースで不利なる可能性があります。
競艇ではコースも大切ではありますが、助走距離を十分にとる事も必須です。必要な距離が取れないのであれば、インコースへ入っても良い結果に繋がりにくいのです。
そのため、現在の競艇では無理やりインコースへ進入しようとするレーサーは少ないという現状です。
暗黙のルール?!新人選手は6コース固定になることが多い
規則ではありませんが、新人レーサーは自発的に6コースを選択する場合が多いです。いくらプロとはいえ、新人とベテランでは経験の差が歴然。
特に、レース中の事故などのアクシデントも、ベテランに比べて発生しやすいと考えられています。
そのため、例え出走表で、4コースや5コースになっていたとしても新人は自発的に6コースに回る事がスタンダードな流れとなっているのです。新人が大外スタートになることを、人によっては暗黙のルールと称している事があります。
もちろん、新人を差別している訳ではなく、安全に経験を積んでいけるための配慮でもある訳です。それだけ競艇が危険と隣り合わせの競技であると言う事の証明でもあります。
ですので、何回か競艇を見ていくにあたり「いつも6コースの選手がいる」と思った際には、新人の可能性が高いです。
競艇のルールと合わせて覚えておきたい予想のコツ
ルールを覚えればさっそく舟券を購入してみたいと思いますね。しかし、「舟券を買うのであれば当てたい!」と誰もが思うはず。
そこでここからは、ルールとあわせて覚えておきたい予想の精度をあげるコツを紹介します。覚えておくと舟券購入に非常に役に立ちますので、ぜひご覧ください。
スタート展示~周回展示でレース展開を予想しよう
本番レースをする前に、スタート展示という本番と同じフライングスタート方式で試し走りを行います。
スタート展示は予想をする上で非常に大事な要素になり、スタートがしっかり0に近くで出来ているか、出来ていないかを見ます。
スタートが0に近い選手は本番でも0に近いスタートが切れる確率が上がり、遅れる選手は「スタートタイミングが見えていない」と判断できます。
その後、スタート展示が終わった後に周回展示を行います。
周回展示とは本番と同じコースを2回走り、波の状態や風の吹き方、モーターの調子などを選手が確認する場です。
競艇予想の上手な方は、この周回展示を見て、1マーク、2マーク(競艇は600m一周するのでコーナーは2つ)のターンが上手く回れているかいないかを判断し予想に反映します。
競艇は1コースが一番有利
記事中でも触れましたが、1号艇の一着率は50%もあります。2回に1回は、1号艇が勝ちます。(全24場、春夏秋冬に違いはありますが、平均50%)
1号艇の勝率が50%もある理由は1マーク(スタートして最初に旋回する場所)に近い枠の方が、1マークを最短で回れるからです。
枠が遠ければ遠いほど1マークの距離が、遠くなることから不利です。(競艇は左回りの競技ですので1号艇が一番左です。)
上記を含め、逆に考えると、1号艇を外した予想ではとても当たる確率の低い舟券を買っていることになるかもしれません。どのようなレースでも、やはり予想の中心は1号艇になることを覚えておきましょう。
波に乗ってしまうと不利になる
競艇は水の上で競うことから時間、季節、天候によって波の流れが変わり干潮、満潮によっても違ってきます。さらに、1号艇が強い理由にも競艇ならではの引き波というものが関係します。
引き波とは、舟が走った後にたつ波のこと。本番レースでは、1マークを目がけて6艇が一斉に回るため、引き波が立ちます。
引き波が起きて、水面が凸凹になってしまうと船につけられてるプロペラ(舟を推進させる羽)が上手く水を搔き分けられなくなり減速します。
1号艇は一番最初に、1マークを回る可能性が高い事から、引き波の影響がなく有利なのです。しかし、G1レーサーになるとアウトコースでも波のない所を見つけて走れるスキルが高い選手が多く存在します。
予想の際には、引き波を避ける技術を持ったボートレーサーであるかを見極めることが重要になるでしょう。過去の戦績などから、1コース以外での戦績を参考にすると、引き波の影響を受けにくい選手を見つけるヒントになります。
選手によって得意な競艇場やコースがある
競艇は内側の艇が有利なのは間違いありませんが、選手によって、特に得意な競艇場やコースがあることも覚えておきましょう。
なぜなら、地元の競艇場なら練習を何度もしていることから競艇場の特性や波の特性を理解し本番に望めるために得意、不得意が発生するのです。
1号艇、2号艇、3号艇はスロースタートといいスタートライン近くで走りますが、4号艇、5号艇、6号艇はダッシュスタートといい助走をつけて走ります。
選手によってはスローが得意な選手、ダッシュの得意な選手、2号艇が得意な選手、6号艇が得意な選手と、様々な選手の特性を理解し舟券を予想することが大切です。
競艇のルールを覚えたら実際に舟券を買ってみよう!
競艇にはプロでも把握しきれない程の細かいルールがあるとも言われておりますが、以上の内容を理解するだけで、競艇の大まかな流れが見えてきたのではないでしょうか。
競艇のルール、予想のコツをここまで読んでいただけたなら、後は舟券を購入するだけです。競艇は色々なファクター、展開を考えて予想をするのが醍醐味。
覚えたルール、コツが必ず予想に役立つので今回の内容を踏まえて、レースを観戦してください。きっと今までと違った見え方もあるはずです。