競艇(ボートレース)のオッズとは自分が買った舟券が当たった時に払い戻される金額を倍率で表したもの。舟券を買う際に、多くの人が確認し、どの舟券を買うかの検討材料にしているものです。
しかし、競艇をやったことがない人がオッズを見ると少し複雑に感じ、
「その数字がどのくらいの人気なの?」
「的中した際にどのくらい配当金があるの?」
と、わかりにくい事も多々あるのではないでしょうか?
そこで今回は、競艇のオッズがどのようにして決まっているのか、どのように確認し活用していけば良いかを徹底解説していきます。
競艇を楽しむ上で重要な情報ですので、ぜひ押さえておきましょう。
舟券ごとのオッズの見方を解説
舟券と言っても複数の種類があり、現在発売されているのは全部で7種類です。各舟券ごとに当てる難しさが変わり、難しい舟券ほどオッズも高くなります。
それぞれの舟券の特徴とオッズの見方について解説していきます。
種類 | 的中条件 | 的中率 |
単勝 | 1着の艇を当てる | 的中率6分の1 |
複勝 | 2着までに入る艇を当てる | 的中率2/6 |
2連単 | 1・2着の艇を着順通り当てる | 的中率1/30 |
2連複 | 1・2着の艇を当てる | 的中率1/15 |
3連単 | 1・2・3着の艇を着順通り当てる | 的中率1/120 |
3連複 | 1・2・3着の艇を当てる | 的中率1/20 |
拡連複 | 1から3着までの2艇を当てる | 3着までに入った3艇の内、どれか2艇を当てる。的中率は3/15 |
単勝・複勝オッズの見方
単勝の欄にある数字が単勝オッズです。6番の場合、オッズが15.5なので、舟券100円購入し的中した場合に1550円戻ってくると言う形です。
複勝の場合は2.8-4.0となっているので、100円購入し的中した場合は280円-400円と幅があると言う見方です。レース終了後に最終的な数字が決定されます。
インコースが圧倒的に有利な競艇において、1号艇が勝つ確率がとても高いことを競艇ファンは知っています。そのため、1号艇の単勝は2.9倍と安く、勝つ確率の低い6号艇が勝てば15.5倍と大きな倍率へなっていくのです。
2連単オッズの見方
2連単は1着と2着を着順通り当てる方法です。ボートレーサーの名前の左下に表示される大きな枠の数字が1着の番号で、横の小さい数字枠が2着の数字です。
例えば、1着を1番・2着を5番と予想した場合、オッズは23.9倍となります。1着と2着を順番通り当てるのは難しく、予想の力が必要な舟券種です。
しかし、競艇の展開や勝ちやすいコースなどが分かってくれば意外と簡単に当てられるようになり、予想する楽しさと配当の喜びを感じられる舟券種と言えます。
2連複オッズの見方
2連複は2連単と似ていますが、選んだ2艇が1着と2着に入れば着順に関係なく当たりになります。
着順は関係ないので、1番と3番を選択した場合、その2艇が1着か2着であれば的中です。1-2でも2-1でも的中とされ、的中範囲が2連単と比較すると広くなるため、オッズも低い傾向があります。
3連単オッズの見方
3連単は1から3着の艇を着順通り当てる買い方です。もっともオッズが高くなりますが、その分ピンポイントで的中させるのは難しい舟券種となっています。
競艇と言えば3連単というほど人気の高い舟券で、多くの人が各々の予想で3連単へ投票しています。
仮に、1~6までの3連単を全通り買うとすると120通りと点数が多くなるので、オッズの見方も少し複雑になってきます。例えば、1着を1番、2着を2番、3着を5番(1-2-5)と予想した場合、オッズは103.4倍です。
オッズの倍率が100倍にも200倍にも、中には1000倍以上になることもある、夢のある舟券種と言えるでしょう。
3連複オッズの見方
3連複は2連複の派生版といったイメージの舟券。着順に関係なく、上位3着に入る3艇を選ぶ舟券です。例えば、1番と2番と5番が上位3番に入ると予想する場合(1、2、5)、1着5番・2着2番3着1番でも当たりで、オッズは18.2倍となります。
拡連単オッズの見方
拡連単は上位3番に入る2艇を予想する方法です。3位以内であれば着順は関係ないので比較的予想しやすいのが特徴です。1番と5番が的中した場合、オッズは2.8-4.4となっていますが、これは3位が決まった時点で数字が確定されます。つまり、どの艇が3位になるかでオッズが変動するという事です。
競艇のオッズはどうやって決まる?
オッズの決め方は『(売上ー控除額25%)÷投票数=オッズ』と言うイメージです。実際の計算式は正式な細かいものがありますが、大雑把に表すとこんな感じです。
具体的に説明していきましょう。
まず、そのレースでの売上金から控除率として運営のための諸経費25%を引くと言うのが大前提です。そして、その残りから払戻金の算出が行われます。
つまり、売上のうち75%が私たちに還元される払戻金の総数となるわけです。
その75%の総払戻金が、舟券を購入した人で山分けできる形に割り当てられた数字がオッズになります。
見方のポイント1:オッズは常に変わり続けている
オッズは、そのレースに対し“どれくらい投資されたか(舟券が売れたか)”によって決定されるため、正確な数字は投票締め切りになるまで分かりません。
舟券自体は前日など、予め購入しておく事ができます。しかし、上記の通りレースギリギリまで舟券を購入する人がいますので、締め切られるまでオッズは変動し続けます。
そのため、より正確なオッズを参考に舟券を買いたいと考えている場合は、事前購入よりも、レース直前まで待ってオッズを見るという方法があります。
しかし、現実的にはレース当日にはおおよその人気が定まってきますので、直前になっても大きなオッズの変動は少ない傾向があります。
見方のポイント2:初心者でもオッズを見れば誰が一番上手いのか一目で分かる
オッズは舟券購入した人が的中した際に総額を山分けできる割合と、先に説明があったと思います。つまり、どんなに総支払額が多くとも、舟券を購入した人数が多ければ多いだけ、一人ひとりの配当は小さくなるのです。
そのため、オッズは一個人が一度に大金をかけたりする事がない限りは、購入された舟券の総額が高くなればなるほど数値が低くなる傾向があると言えます。
これは単に払戻金が低い事だけを示しているのではなく、それだけ多くの人が投資している事を示しています。稀に、個人が数十万と大金をかけている場合もありますが、それは少ない例です。
技術的に信頼できる、経験が豊富、勝率が高い、など人気となる理由はその都度違うかもしれません。ですが総じて言えるのは、低いオッズ のレーサーはそのレースの中で、最も勝利に近いと予想されている選手です。
競艇の平均的なオッズはどれくらい?
それぞれの平均オッズは以下の表になっています。
単勝を含む他の勝式のデータはないようなので、表にできませんでしたがご参考にどうぞ。
勝式 | 平均オッズ |
2連単 | 18.6 |
2連複 | 9.3 |
3連単 | 73.2 |
3連複 | 12.4 |
比較的、連単の系統が高めになっていますね。これは的中率が連複より低いためです。
また、これらのオッズ平均値は荒れたときの倍率も含めた全体的な平均値なので、実際にオッズ表で表示される数字はもっと低い数値がほとんどとなっています。
過去の最高オッズは?実際にあった高配当をランキング形式で紹介!
過去高配当が出た会場、レースや金額などを10位までご紹介します。
順位 | 払戻金 | 会場 | 日付 | レース | 勝式 | 組番 |
1 | ¥682,760 | 徳 山 | 2011/05/22 | 2R | 3連単 | 4 − 5 − 2 |
2 | ¥650,610 | 三 国 | 2016/03/21 | 1R | 3連単 | 6 − 3 − 5 |
3 | ¥595,550 | 徳 山 | 2019/01/16 | 2R | 3連単 | 6 − 4 − 3 |
4 | ¥579,900 | 芦 屋 | 2016/05/24 | 1R | 2連単 | 6 − 4 |
5 | ¥554,930 | 丸 亀 | 2020/03/14 | 5R | 3連単 | 6 − 5 − 4 |
6 | ¥537,990 | 若 松 | 2003/12/10 | 5R | 3連単 | 2 − 6 − 5 |
7 | ¥535,520 | 江戸川 | 2020/11/7 | 3R | 3連単 | 6 − 5 − 1 |
8 | ¥534,930 | 芦 屋 | 2020/11/21 | 1R | 3連単 | 5 − 3 − 6 |
9 | ¥514,810 | 蒲 郡 | 2013/10/05 | 7R | 3連単 | 6 − 2 − 5 |
10 | ¥511,550 | 大 村 | 2014/07/21 | 6R | 3連単 | 6 − 3 − 4 |
データ引用:https://www.boatrace.jp/
傾向としては、6コース絡みの3連単での高配当が多い印象でしょう。一番古いものでは2003年、最近では2020年と17年程のスパンがありますので、あくまでこれも、今後のご参考までにと言った所ですね。
競艇のオッズを予想に活かす方法!
オッズについて様々な説明を行ってきましたが、なんとなくでもイメージが掴めてきたでしょうか?ここからは、オッズを見て具体的にどのように活用していくか見ていきましょう。
舟券購入金額を決める目安にする
ここまでに、オッズとは当たった際の配当金である旨の説明をしてきましたね。今度は一歩踏み込んで、オッズを元にどう舟券を購入するか、と言う事に焦点を当て、一つ例を見てみましょう。
ボートレーサー | 単勝オッズ | |
1 | 徳増 秀樹 | 1.2 |
2 | 小池 修平 | 9.1 |
3 | 佐藤 大介 | 9.8 |
4 | 繁野谷 圭介 | 9.8 |
5 | 北中 元樹 | 8.7 |
6 | 宮下 元胤 | 13.1 |
これは第16回下野新聞社杯1月30日(桐生レース場)での1R単勝オッズです。
これを見ると、1番が圧倒的な人気がある事がわかります。このオッズ表を元に、1番に投票するとしましょう。
単勝オッズ1.2となっていますので、1,000円の舟券を購入すれば、的中した際の配当金は1,200円と言うことになります。つまり、結果200円プラスですね。外れた場合はもちろん1,000円マイナスです。
これだけであれば、問題ありませんが、1番の単勝と2番の単勝、どちらにも投資したいと考えた場合はどうなるのでしょうか。それぞれに同じく1,000円ずつ、合計2,000円の投資をしたとしましょう。
1番が的中した場合は1,200円しか配当されないので総合的には800円のマイナスです。2番が的中した場合は9,100円配当されますので7,100円のプラスです。
それぞれ同じ掛金でもオッズによって配当金が大きく違っていますね。
先ほども説明した通り、オッズが低いものは人気があるということ。的中の可能性が高い分オッズは低くなる、と言う話をしました。
この状態で1番が的中しても、総合的には損をしてしまったと言うことになります。せっかく当たったのに、結果的に損をしてしまっている。これをギャンブル界ではトリガミなんて言ったりもします。
オッズが低いものには、それなりの金額を投資しないと、プラスになりにくいのが現状です。しかし、オッズが高いものに投資すれば、当たった際の配当は大きいですが、その分的中の可能性は低い訳です。
オッズは、倍率を見ながらどのくらいの投資額にしたら損失が出ないかなど考える事ができる、大切なツールとなっています。是非皆さんの予想と舟券購入に生かしてください。
オッズのパターンに当てはめて予想ができる
オッズを元に舟券を購入するには、いくつかのパターンがあることをご存知でしょうか。
よく言われるのが以下の3つのようなパターンがあります。
・1から10番以内の人気舟券を購入する「本命買い」
・10から30番人気前後の舟券を購入する「中穴狙い」
・30番以降の舟券を購入する「大穴狙い」
オッズを元に投資をする人たちの中で、もっとも多いのが「本命買い」です。
1~10番人気の舟券購入のため、的中率は高くなります。しかし、人気ということは、そもそものオッズが低いという理由から、的中しても払戻金が低くなってしまいがちな所があります。
仮に、ビッグレースであれば、沢山の人が思い思いのところに投資するため、人気がバラつきます。そのため、3連単の1番人気でも10倍前後のオッズがつく事もあります。
しかし、出場する選手の腕の差が歴然とした一般戦になると3連単1番人気のオッズが5倍前後となるレースが増えます。そのため本命買いは安定ですが、高額配当はなかなか難しいところです。
では、中穴狙いや大穴狙いのオッズ買いになるとどうかと言うと、今度は的中率が著しく低下するので、安定した回収へは結びつきにくくなってしまう点があります。
安定とリスクのちょうど良い所を探すのが醍醐味言っても良いでしょう。何より、このパターンで舟券を購入する場合、他の情報収集へ時間を割く必要がなくなるため、初心者やあまり舟券を購入した事がない方でも、気軽に投資しやすいのではないでしょうか。
競艇の予想をオッズだけで行う「オッズ理論」という予想法
競艇では、人によって選手、モーター、経験など、重視する点が異なります。情報が多いだけに何を基盤にして舟券を購入すれば良いかわからずに、「難しい」と感じてしまう人も多いのでは無いでしょうか。
そこで一つ、上記のオッズのパターンを利用したオッズ理論というものを知っておくと便利です。
出走表などの他の情報を採用せず、オッズのみを見て購入する舟券を決める事をオッズ理論(オッズ買い)と言います。
このオッズ理論に沿って購入するとなると、誰が人気なのかをひと目で理解する事ができ、当たりやすい(と考える人が多い)選手に絞って舟券を購入する事が可能です。
また「レース開始まで時間がないけど、ちょこっと購入してみたい」という場合でも気軽に購入できる所もこの買い方にすれば短時間で購入できるので、とても魅力的な考え方とも言えるのではないでしょうか。
買うべきではないレースの判断ができる
競艇のレースは1日中で沢山のレースが組まれており、それぞれに投資するかどうか自分で判断できます。
つまり、オッズ、天候、モーター、選手の状態など様々な情報を加味した上で、投資が難しいと判断される場合には、そのレースを見送る事も可能です。方法は簡単で、舟券を購入しなければ良いだけです。
では、どのようなレースが見送るべきなのか、と言う事ですが、オッズについて一つの目安にするならば、上記説明にもあったようにトリガミになるような場合は見送るのが賢明です。
もちろん、勝敗にかかわらず投資してみたいだけであれば、そのような心配はありません。ですが、せっかく投資するなら回収も目指したいの本音でしょう。
どこにどれだけ投資したいのかを計算した上で、スケジューリングする事も競艇の楽しみ方の一つと思い、そのレースが本当に投資すべきか検討してみて下さい。その時の検討材料にオッズは一役買ってくれる事でしょう。
実際に舟券の買い方を覚えて挑戦してみよう
舟券は全国24箇所の競艇場や、チケットショップ、または、電話・インターネットによる購入サービスから購入可能です。
競艇場やチケットショップでの購入の場合、マークシートという専用の用紙に必要事項を記入して自動販売機、もしくは専用窓口で購入という形になります。
マークシートには2種類ありますので、一つずつみていきましょう。
上記の画像は連単と連複の投票用紙です。
今回は丸亀レース場の第3レースに3-4-1の3連単に1,000円投資する用紙を作成しましょう。
1の開催場にマークします。この例では丸亀レース場ですね。
2番はその日の何レース目かをマークします。今回は第3レースなので3にマークします。
3番は式別の記入欄ですがよく見ると2段に分かれていますね。今回は3連単のみなので上段の3連単にマークしますが、もし、合わせて他の式別のものも記入しない場合は改めて下段にも記入して下さい。
4番の欄に3-4-1をそれぞれ着順に合わせてマークします。2連単や2連複の場合は2つまでで大丈夫です。
5番に金額をマークします。今回は1,000円です。次の6項目で単位を選択できるので5番では1のみマークします。10万円などの高額の時は10、20、30の欄が使用できます。
6番は単位として百円、千円、万円の3種類の単位があります。今回は千円を選択します。
7番は、取り消し欄です。誤って記入してしまった内容も、ここにマークしておけば取り消しと認定され舟券購入金額に反映されません。
これは、流し、またはボックスと呼ばれる購入方法の際に使用する投票用紙です。それぞれ押さえておきましょう。
「流し」とは、1着もしくは2着までを固定し、それ以降は複数選択できる方法です。固定以外を手広く買う事ができる方法です。1着を1番、2着を2番、3着は残りの全て(1-2-3456)という場合は上の画像のようにマークします。
また、1、2着を1、2番と3着を3から6番にする(この場合12-12-3456となります。)など、流しを複数組み合わせる形にすることを「フォーメーション」と言います。
対してボックスという形については以下のようになります。
「ボックス」とは、選んだ複数の艇の、全ての組み合わせを購入する方法となります。
上記参照してみるとわかりやすいと思います。3連単で123のボックス購入、と言うと6点買いとなります。最大6艇まで指定できますが6までのボックスとなると全てて120通りありますので、一つ100円ずつとしても合計12,000円かかります。
慣れが出てくるまでは一つ一つ記入できる、最初に紹介した投票用紙を使用する事をおすすめします。また、単勝と複勝に関してはネット投票か、レース場の専用窓口でしか取り扱いがありませんので、会場でスタッフさんに確認してみると良いですよ。
上記の2種類の用紙では単勝も複勝も購入できませんので注意して下さい。
競艇の舟券を買う際にはオッズの見方を覚えることが必須!
ここまでオッズに関連した様々な解説をしてきましたが、イメージを膨らませる事ができましたか?沢山の情報がありましたので、ここで箇条書きで整理しましょう。
・舟券を購入する際、舟券の種類は7つあり、その全てにオッズがある。
・オッズはそのレースの売上から算出される配当金額の割合である。
・オッズはレース開始の直前まで変動の可能性がある。
・オッズが低いものは的中した際に配当金が低いが、人気が高い舟券のため的中の確率が高い。
・逆にオッズが高いものは、的中の際に高配当が期待できるが、的中率が低い。
・複数ある舟券の種類の中で、最もオッズも人気も高い傾向なのは3連単。
・オッズを元に予想や予算の検討ができる。
・オッズが低い舟券は的中してもトリガミする場合がある。
・舟券購入には複数種類の方法がある。
舟券をただ購入するだけよりも、オッズを意識した購入の方が奥深く、そして期待や楽しさが持てはずです。
初めから全てを網羅する、と言うよりも「これなら自分でもやれそう」というものから一つずつチャレンジしていき、楽しみながらわかる事やできる事を増やして行きましょう。